鼻血が30分以上止まらない。救急に行くべき?
正しい圧迫を20分続けても止まらない鼻血は受診を。30分以上、または血液が口に流れ込むほどの量があれば救急外来へ。
目次(19項目)
結論から先に
正しい圧迫止血を15〜20分続けても止まらない鼻血は医療機関の対応が必要です。30分以上止まらない、口に血液が大量に流れ込む、めまい・冷や汗・意識がもうろうとする場合は救急外来(夜間休日は救急車要請も検討)の対象です。日中なら耳鼻咽喉科、夜間休日は救急医のいる病院を受診してください。判断に迷う場合は救急相談センター(#7119)に電話して指示を仰ぐのが安全です。
どんな場合に当てはまるか
鼻の入り口からの出血(キーゼルバッハ部位)
鼻血の9割を占める一般的な出血部位です。鼻をかむ・指で触る・乾燥・くしゃみで出血しやすく、正しく圧迫すれば20分以内に止まることがほとんどです。
後鼻部からの出血
鼻の奥の太い血管(後鼻動脈)からの出血で、量が多く止まりにくいのが特徴です。前から圧迫しても止血が困難で、後ろから喉に大量に流れ込むことがあります。耳鼻咽喉科でのパッキング(ガーゼ詰め)処置が必要なことが多いです。
抗凝固薬・抗血小板薬を服用中
ワーファリン・DOAC(リクシアナ・エリキュース・プラザキサ・イグザレルト)・アスピリンなどを服用中の方は止血しにくく、出血量も増えます。心房細動・血栓症の治療で日常服用している方は要注意です。
高血圧
血圧が高い状態が続いている方は出血量が多くなる傾向があり、止血にも時間がかかります。
鼻腔内の腫瘍・血管腫
繰り返す片側性の鼻血、徐々に量が増える鼻血、鼻づまりや顔面痛を伴う鼻血は、稀に鼻腔・副鼻腔の腫瘍が背景にあることがあります。耳鼻咽喉科での鼻腔内視鏡検査が必要です。
血液疾患
血小板減少症・白血病など血液の異常では止血しにくい鼻血が出ます。歯茎の出血・皮下出血(青あざ)・倦怠感を伴う場合は内科の評価が必要です。
例外状況
自宅対応で様子見でよいケース
- 鼻をかんだ後・くしゃみの後の一時的な出血で、圧迫15〜20分以内に止まる
- 乾燥した季節・冬場の一過性の出血で、加湿で繰り返さない
- 子どもの鼻ほじり後の少量出血
早急に救急受診・119番が必要なケース
- 圧迫20分で止まらない、30分以上続く
- 口に血液が次々に流れ込み、500ml以上の量が出た
- めまい・冷や汗・顔面蒼白・意識がもうろうとする
- 抗凝固薬を服用中で20分圧迫しても止まらない
- 顔面・頭部の外傷後の鼻血
- 過去に鼻の奥の手術を受け、術後の出血
費用・リスク・注意点
救急受診時の費用(目安)
- 救急外来初診料+処置:5,000〜15,000円(3割負担)
- 鼻腔タンポン処置(パッキング):1,500〜3,000円
- 電気凝固止血:3,000〜6,000円
- 救急車利用:無料(地域により搬送費あり)
- 入院になった場合:1日1〜3万円
放置のリスク
大量出血が長時間続くと貧血・ショック状態になり、特に高齢者・抗凝固薬服用者では危険です。後鼻出血を放置すると喉に血液が流れ込み、誤嚥性肺炎の原因になることもあります。「鼻血くらい」と侮らないことが大切です。
自宅での誤対応に注意
- 上を向くと血液が喉に流れ込み、吐き気・誤嚥の原因になります(必ず下向き)
- 首の後ろをトントン叩く方法には止血効果はありません
- ティッシュを奥まで詰め込むと再出血の原因になります
- 鼻に氷を当てる方法は補助的ですが、圧迫の代わりにはなりません
救急の判断基準
- 出血量:紙コップ1杯(200ml)以上で要注意、500ml超で救急
- 持続時間:30分超は救急対応の目安
- 全身症状:めまい・冷や汗・脈が速い・意識低下があれば即119番
日常の予防
- 部屋の湿度を50〜60%に保つ(特に冬)
- 鼻の入り口の乾燥にワセリン少量を塗る
- 鼻を強くかまない
- 抗凝固薬服用中は定期的な血液検査で凝固機能を確認
よくある質問
Q. 救急車を呼ぶ判断はどうすればよいですか?
意識がもうろうとする・血圧が下がっている(測れる場合)・出血量が大量(500ml以上)・抗凝固薬服用中で止まらない、のいずれかがあれば119番です。判断に迷う場合は救急相談センター(#7119)に電話してください。
Q. 救急受診の際に伝えるべき情報は何ですか?
①出血開始時刻、②圧迫止血の経過、③服用中の薬(抗凝固薬・抗血小板薬・降圧薬)、④既往歴(高血圧・心房細動・血液疾患)、⑤外傷の有無、を伝えてください。お薬手帳の持参が役立ちます。
Q. 圧迫の途中で止まったか確認したくなりますが、どうすればよいですか?
途中の確認は再出血の原因になります。20分間時計を見ながら圧迫を続け、20分後にゆっくり指を離してください。それでも出血が続く場合はもう一度20分圧迫し、合計40分で止まらなければ受診です。
Q. 鼻血の後すぐに鼻をかんでもよいですか?
止血直後は血の塊が剥がれ再出血の原因になるため、最低2〜3時間は強く鼻をかまないでください。同日中は鼻ほじり・激しい運動・熱い風呂・飲酒も控えると安全です。
Q. 何度も繰り返す鼻血は予防できますか?
繰り返しの原因の多くは鼻入口部の血管露出です。耳鼻咽喉科で電気凝固処置を行うと再発予防が可能です。1か月に2回以上繰り返す場合は予約受診を検討してください。
※個人差があります。受診の判断は医師にご相談ください。
参考資料
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「鼻出血の診療」— 止血の手順と受診目安
- 消防庁 救急受診ガイド・救急相談センター #7119 — 救急要否の判断
- 厚生労働省「救急医療の体制」— 救急外来の使い分け
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参考資料
掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。
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