動悸がストレスのせい?病院に行くべきか判断したい
1分以上続く・脈が乱れる・胸痛/失神を伴う動悸は循環器内科へ。短時間・運動後・ストレス時のみで他症状なしなら様子見でOK。
目次(17項目)
結論から先に
動悸の原因はストレス・自律神経失調などの機能性のものもあれば、不整脈・甲状腺機能亢進・貧血など治療が必要な疾患のこともあります。1分以上続く・脈が明らかに乱れる・胸痛/失神/冷や汗を伴う動悸は循環器内科で必ず評価が必要です。一方、ストレス時のみ・短時間(1〜2分以内)・他症状なしの動悸は様子見も可能ですが、初回や頻発する場合は一度受診して器質的疾患を除外しておくと安心です。
どんな場合に当てはまるか
心臓由来の動悸(医療機関での評価が必須)
- 不整脈: 心房細動・心室期外収縮・上室性頻拍など。脈が「飛ぶ」「乱れる」「速くなる/遅くなる」が典型
- 心房細動: 高齢者に多く、脈が「不規則に不規則」になる。脳梗塞のリスクが上がるため早期発見が重要
- WPW症候群: 若い人にも見られる先天性の伝導路異常。突然始まり突然終わる動悸が特徴
- 心室頻拍: 致命的な不整脈。意識消失を伴うことも
心臓以外の原因
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病): 動悸+体重減少+発汗増加+手指振戦が典型
- 貧血: 血液中の酸素運搬能が低下し代償的に心拍数が上昇
- 低血糖: 食事を抜いた後や糖尿病治療中の方
- 発熱・脱水: 体温上昇1度で心拍が10〜15増えることがある
- カフェイン・アルコール・タバコ: 過剰摂取で動悸を誘発
- 薬剤性: 風邪薬(プソイドエフェドリン)、喘息薬、ステロイドなど
精神的・自律神経性
- 不安発作・パニック障害: 動悸+息苦しさ+手足のしびれ+発汗
- ストレス・睡眠不足: 交感神経優位で安静時心拍が上がる
- 更年期: ホットフラッシュとともに動悸
例外状況
すぐ救急車(119)を呼ぶべき動悸
- 動悸+胸痛が15分以上続く(心筋梗塞の可能性)
- 動悸+失神・意識消失(致死性不整脈の可能性)
- 動悸+強い呼吸困難
- 脈拍が毎分150を超える状態が10分以上続く
- 脈拍が毎分40未満で意識がもうろう
2週間以内の受診を強く推奨
- 動悸が日に何度も起きる
- 動悸が3〜5分以上続く
- 脈が乱れる感覚がある
- 体重減少・手指振戦・発汗増加を伴う(甲状腺)
- めまい・立ちくらみを伴う
- 健診で不整脈・貧血の指摘がある
様子見してよい場合
- 短時間(1〜2分以内)で自然に治る
- ストレスや緊張時のみで他症状なし
- カフェイン・アルコールを取りすぎた日の動悸
- 運動直後の生理的反応
費用・リスク・注意点
受診費用の目安(3割負担)
- 初診+安静時心電図+血液検査:5,000〜8,000円
- ホルター心電図(24時間):6,000〜9,000円
- 心エコー検査:3,000〜5,000円
- 甲状腺機能検査(TSH/FT4):2,000〜3,000円
- イベントレコーダー(携帯型):8,000〜12,000円
どの科を選ぶか
- 第一選択: 循環器内科または内科
- 甲状腺が疑われる場合: 内分泌内科
- パニック発作・不安が強い場合: 心療内科・精神科
- どこから手をつけてよいか分からない場合: かかりつけ医に相談し紹介してもらう
受診時に持参すべき情報
- いつから動悸があるか
- どんなときに起きるか(時間帯・状況)
- 1回あたりの持続時間
- 動悸時の脈拍(スマートウォッチで測ったログが理想)
- 同時にある症状
- 服用中の薬・サプリ・カフェイン量
- 家族歴(突然死・若年での心臓病)
放置のリスク
心房細動を放置すると脳梗塞のリスクが約5倍に上がり、症状なく数年経過してから脳卒中で発症することもあります。甲状腺機能亢進を放置すると心不全・骨粗鬆症のリスクが上がります。「気のせい」と片付けず、一度は医療機関で器質的疾患を除外しておくことが安心につながります。
スマートウォッチの活用
Apple Watch・Fitbit・Garmin などは心拍数・心電図の記録が可能で、動悸時の心拍を数値で記録できます。「動悸があるが受診時には起きない」というケースで、医師に客観的なデータを示せるため非常に有用です。心房細動のスクリーニングはApple Watchが薬機法認証を取得済みで、医療機関でも参考にされます。
よくある質問
Q. 動悸の他に手の震えと体重減少があります。何科ですか?
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の典型的な症状の組み合わせです。内分泌内科または甲状腺専門のクリニックを受診してください。血液検査(TSH・FT3・FT4・自己抗体)で診断が確定し、薬物療法で治療可能な疾患です。30〜40代の女性に多く、放置すると心房細動や心不全に進展することがあるため早期受診が大切です。
Q. 安静時の心拍数が90〜100で動悸を感じます。これは正常ですか?
安静時心拍数の正常範囲は60〜100で、90〜100は「正常範囲の上限」です。ただし以前60〜70だった人が急に上がっているなら背景に何かある可能性があります。ストレス・カフェイン・睡眠不足・甲状腺機能亢進・貧血・脱水などが原因として考えられます。1〜2週間生活習慣を見直しても変化がなければ受診をおすすめします。
Q. パニック発作の動悸と心臓病の動悸はどう区別しますか?
パニック発作は「動悸+息苦しさ+手足のしびれ+恐怖感」のセットが典型で、突然始まり数十分以内に治まります。心臓病の動悸は他の感情症状を伴わず、脈の乱れや胸痛を伴うことが多くあります。ただし両者の区別は自己判断では困難なので、まず循環器内科で心電図を取って心臓の問題を除外することが先決です。心臓に異常がなければ心療内科で対応してもらいます。
Q. 1〜2秒だけ脈が飛ぶ感覚があります。これは心配ですか?
「期外収縮」と呼ばれる現象で、健康な人でも1日数百回は起きていることが知られています。健康診断で「上室性期外収縮」「心室性期外収縮」と指摘されても、症状なしで頻度が少なければ多くは経過観察で問題ありません。ただし1日数千回以上、めまいや胸痛を伴う、運動中に増える場合は循環器内科でホルター心電図を含めた精査が必要です。
Q. ストレスを減らしても動悸が続きます。次のステップは?
①循環器内科で器質的疾患を除外、②内分泌内科で甲状腺を確認、③心療内科でストレス・不安障害を評価、の順で進めるのが一般的です。「身体的な原因を順に除外していき、最後に精神的アプローチに進む」流れが王道です。これらで原因が特定されないが症状が強い場合は、自律神経専門外来(一部の総合病院にあり)で評価してもらう方法もあります。
※個人差があります。受診の判断は医師にご相談ください。
参考資料
- 日本循環器学会「不整脈薬物治療ガイドライン」— 動悸・不整脈の標準的評価と治療
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「不整脈」— 一般向け解説
- 日本心臓財団「動悸の原因」— 動悸の鑑別と対処
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参考資料
掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。
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