2026年の賃上げ5%、なのに手取りが増えないのはなぜ?

結論

賃上げ5.26%の恩恵は社会保険料の増加・子ども子育て支援金の天引き・物価上昇で大きく相殺されます。実際に手元に残る手取り増は+1〜2%程度の見込みです。給与明細の控除欄を確認して、どこで何が引かれているかを把握してください。

どうする?編集部 · · 読了 約4分
目次(16項目)
  1. 結論から先に
  2. 賃上げ分が消える内訳
  3. ①子ども・子育て支援金(2026年4月新規開始)
  4. ②健康保険料の引き上げ
  5. ③厚生年金保険料の標準報酬月額の上限引き上げ
  6. ④住民税の遅れ反映
  7. ⑤物価上昇による実質購買力の低下
  8. 合計するとどうなる?
  9. 給与明細で確認するところ
  10. 家計への対策
  11. 非課税制度を活用する
  12. ふるさと納税を活用する
  13. 医療費控除・セルフメディケーション税制
  14. 生命保険料控除・地震保険料控除
  15. Q&A
  16. 参考資料

結論から先に

2026年の春闘で賃上げ率5.26%が実現しましたが、手取りが実感として増えていない人が多い状況です。理由は「賃上げ分を吸収する引き去り」が複数重なっているためです。2026年4月からの子ども・子育て支援金の天引き開始、健康保険料の引き上げ、物価上昇による実質購買力の低下が重なり、手元に残る増加分は名目賃上げ率の3分の1以下になるケースもあります。まず給与明細の控除欄を確認し、何がいくら引かれているかを把握してください。

賃上げ分が消える内訳

5.26%の賃上げ分がどこに消えているかを分解します。年収500万円の会社員を例に取ります。

①子ども・子育て支援金(2026年4月新規開始)

2026年4月から健康保険料と合わせて徴収が始まりました。厚生労働省の試算では月平均450〜500円程度ですが、収入が高いほど金額も上がります。

月収別の子ども・子育て支援金の目安

月収概算の負担(本人分)
20万円約200〜300円
35万円約400〜500円
50万円約600〜800円

年収500万円の場合、年間で5,000〜8,000円程度の新たな負担です。

②健康保険料の引き上げ

全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料率は都道府県ごとに異なりますが、医療費の増加に伴い引き上げ傾向が続いています。2026年度も一部の都道府県で引き上げが実施されました。

③厚生年金保険料の標準報酬月額の上限引き上げ

2024年度から標準報酬月額の上限が段階的に引き上げられており、高収入の会社員ほど厚生年金保険料の増加幅が大きいです。

④住民税の遅れ反映

住民税は前年の収入をもとに翌年6月に新税額が適用されます。2025年に賃上げがあった分は、2026年6月から住民税に反映されます。毎月の手取りが一時的にさらに減る感覚が生じます。

⑤物価上昇による実質購買力の低下

消費者物価指数は2026年に入っても前年比2〜3%台の上昇が続いています。名目賃金が5%上がっても、物価が3%上がると実質の購買力は約2%しか増えません。

合計するとどうなる?

要因手取りへの影響(年収500万円の目安)
賃上げ5.26%+263,000円(名目)
子ども・子育て支援金−6,000〜8,000円
健康保険料増−5,000〜15,000円
住民税増(前年賃上げ分)−20,000〜40,000円
物価上昇(実質価値)−52,000〜78,000円相当
実質手取り増の目安+60,000〜130,000円程度

名目の賃上げ額263,000円に対し、実際の生活水準向上は+1〜2%程度にとどまる計算です。

給与明細で確認するところ

手取りの変化を自分で把握するには給与明細の読み方が重要です。

支給欄

  • 基本給:賃上げが反映されているか確認
  • 各種手当:変動していないか確認

控除欄(引かれているもの)

  • 健康保険料:前年同月比で増えていないか
  • 厚生年金保険料:4〜6月の定時決定後に変わることがある
  • 雇用保険料:賃金に連動して増える
  • 介護保険料(40歳以上):前年比で確認
  • 子ども・子育て支援金:2026年4月分から新規に記載されているはず
  • 住民税:6月分から新しい税額が反映される

確認のポイント 2025年4月分と2026年4月分の明細を並べると差額がわかります。支給合計と控除合計の差(手取り額)を比較してください。

家計への対策

賃上げ分が手取りに残らない状況でも、家計への対策はあります。

非課税制度を活用する

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):掛け金全額が所得控除。年収500万円で月1万円拠出すると約2〜2.4万円の節税効果
  • 新NISA:運用益・配当が非課税。手取りを直接増やすものではありませんが、資産運用の効率を高められます

ふるさと納税を活用する

住民税・所得税が実質的に軽くなります。控除上限額は年収と家族構成によって異なりますが、年収500万円の単身では約6万円程度が目安です。

医療費控除・セルフメディケーション税制

年間10万円超の医療費があれば確定申告で控除できます。

生命保険料控除・地震保険料控除

毎年の年末調整で申告できます。申告漏れがないか確認してください。

Q&A

Q:賃上げがあったのに実質賃金マイナスというのはどういう計算? A:厚生労働省が毎月発表する「毎月勤労統計」で、名目賃金を消費者物価指数で割った値が実質賃金です。2026年に入っても物価上昇が賃上げを上回るケースが続いており、実質賃金のマイナスが継続しています。

Q:来年(2027年)は改善される? A:社会保険料の上昇は当面続く見込みです。物価上昇が落ち着けば実質賃金のマイナスは縮小する可能性がありますが、現時点では見通しが立っていません。

Q:パートタイムや非正規の場合はどうなる? A:賃上げの恩恵はパートタイムにも及んでいますが、最低賃金の引き上げ幅と企業の対応にばらつきがあります。健康保険・厚生年金に加入している場合は同様の保険料増加があります。

Q:扶養内で働いている配偶者への影響は? A:年収103万円・106万円・130万円などの壁は引き続き存在します。子ども・子育て支援金は健康保険加入者に課されるため、被扶養者には直接の天引きはありません。

Q:給与明細に子ども・子育て支援金の項目がない場合は? A:健康保険料に含めて徴収している場合があります。健康保険組合または会社の人事・総務部門に確認してください。

参考資料

2026年の賃上げ5%、なのに手取りが増えないのはなぜ? — お金 関連イラスト (どうする?)
Photo by AMIR SAMOH on Unsplash

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参考資料

  1. 厚生労働省 賃金・労働時間・雇用の動き
  2. 内閣府 子ども・子育て支援金
  3. 全国健康保険協会 保険料率

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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