健保の扶養、2026年4月から「見込み年収」で判定?証明はどうする

結論

2026年4月から扶養認定は「契約上の見込み年収」で判定する方向へ。雇用契約書のコピーが基本書類になる。

どうする?編集部 · · 読了 約5分
目次(18項目)
  1. 結論から先に
  2. 2026年4月の変更点
  3. 130万円の壁の考え方
  4. 雇用契約書がない場合の対処
  5. 年収が130万円を超えそうなときの選択肢
  6. 1. 労働時間を調整して130万円未満に抑える
  7. 2. 自分で社会保険に加入
  8. 3. 国民健康保険・国民年金に加入
  9. 「106万円の壁」との関係
  10. 申請手続きの流れ
  11. 1. 雇用契約書のコピーを準備
  12. 2. 健保組合への申請書類
  13. 3. 配偶者の場合は国民年金第3号被保険者の届出
  14. 健保組合により基準が違うケース
  15. 被扶養者から外れたときの保険料
  16. 年末調整・確定申告との関係
  17. よくある質問
  18. 参考資料

結論から先に

2026年4月から、健康保険の被扶養者認定の運用が見直され、労働契約に記載された見込み年収を中心に判定する方向で整理されました。従来は「過去・現在・将来の収入を総合判断」というあいまいな運用でしたが、新ルールでは雇用契約書のコピーが基本書類となります。パート・アルバイトの方は、年収130万円未満の契約内容を示せれば、被扶養者として認定されやすくなります。逆に、契約上130万円を超える見込みなら、扶養から外れて自分で社会保険に加入する流れになります。

2026年4月の変更点

これまでの扶養認定は、「現在の収入」「将来の見込み」「過去の収入」を健保組合が総合判断する方式でした。このため、健保組合ごとに判断基準が異なり、申請者にとっても予測しづらい運用でした。

2026年4月以降は、

  • 雇用契約書上の見込み年収を主な判定基準にする
  • 過去の収入は参考程度に
  • 健保組合により若干の運用差はあるが、契約書中心の判定で統一の方向

これにより、契約書を提出すれば、原則として認定/不認定の判断が明確になります。

130万円の壁の考え方

被扶養者の年収要件は、

  • 60歳未満:年収130万円未満(月額換算 約10万8,333円未満)
  • 60歳以上または障害者:年収180万円未満

「年収」には次のものが含まれます。

  • 給与・賞与
  • 自営業の事業所得(収入−経費)
  • 不動産所得
  • 公的年金
  • 失業給付・傷病手当金
  • 通勤手当(月15万円超の部分)

注意:給与所得控除前の「総支給額」で計算します。所得税の年収とは違うので混同しないでください。

雇用契約書がない場合の対処

短期アルバイト・日雇い・フリーランス契約などで「雇用契約書」がない場合は、

  • 業務委託契約書
  • アルバイトの登録時の書類
  • 直近3か月分の給与明細
  • 確定申告書の控え

これらを組み合わせて、見込み年収を示します。健保組合により要求書類が違うので、事前に確認してください。

年収が130万円を超えそうなときの選択肢

1. 労働時間を調整して130万円未満に抑える

シンプルな選択肢で、時給×週時間×週数で計算して130万円未満になるよう、契約を結び直します。

2. 自分で社会保険に加入

年収130万円を超え、勤務先が社会保険適用事業所であれば、自分で社会保険に加入します。保険料の自己負担は発生しますが、将来の年金が増える、傷病手当金が出る、などのメリットもあります。

3. 国民健康保険・国民年金に加入

社会保険適用事業所でない勤務先の場合は、国民健康保険・国民年金に加入します。保険料は所得連動で、年収130〜170万円ぐらいの方で年20〜30万円が目安です。

「106万円の壁」との関係

2026年10月以降、社会保険適用拡大が進み、

  • 週20時間以上勤務
  • 月額賃金8.8万円(年106万円)以上
  • 雇用期間2か月以上
  • 学生でない

これらに該当すると、勤務先の社会保険に強制加入になります(従業員数50人以下の事業所では2026年10月から段階的に拡大)。

130万円の被扶養者要件より低い「106万円の壁」が、社会保険適用ラインです。

申請手続きの流れ

1. 雇用契約書のコピーを準備

  • 契約期間
  • 時給・月給
  • 週の勤務時間
  • 賞与の有無

2. 健保組合への申請書類

  • 健康保険被扶養者(異動)届
  • 雇用契約書のコピー
  • 続柄を証明する書類(住民票・戸籍謄本など)
  • 同居・別居を証明する書類

3. 配偶者の場合は国民年金第3号被保険者の届出

健康保険の被扶養者認定と同時に、配偶者(扶養される側)の国民年金第3号被保険者の届出も行います。

健保組合により基準が違うケース

協会けんぽ・組合健保・共済組合により、運用に若干の差があります。

  • 協会けんぽ:全国共通の基準
  • 組合健保:組合ごとに独自基準(より厳しい場合あり)
  • 共済組合:公務員向け、独自基準

たとえば、大企業の組合健保では、

  • 賞与を含めた厳密な計算
  • 年に1回の収入確認(再判定)
  • 「直近3か月の月平均給与×12」を見込み年収とみなす

など、厳しめの運用がある場合があります。

被扶養者から外れたときの保険料

被扶養者から外れた場合の自己負担(月額の目安):

  • 協会けんぽに自分で加入:月収15万円なら月7,500円程度
  • 国民健康保険:年収150万円なら月12,000〜15,000円(自治体により差)
  • 国民年金:月17,510円(2026年度)

合計で月2万〜3万円程度の負担が発生します。

年末調整・確定申告との関係

健康保険の扶養と、所得税の扶養は別の判定です。

  • 健康保険の扶養:130万円未満(被扶養者)
  • 所得税の扶養:103万円未満(配偶者控除等)

2026年からは「160万円の壁」「特定親族特別控除」も導入され、所得税側のルールはさらに複雑になっています。健保扶養と税扶養を混同しないでください。

よくある質問

Q. 見込み年収はどう計算しますか?

雇用契約書に記載された時給×契約週時間×52週、または月給×12か月、というシンプルな計算が基本です。例えば時給1,200円・週20時間・52週なら、1,200×20×52=124万8,000円となり、130万円未満で扶養に入れる計算です。残業手当・通勤手当(月15万円超の部分)・賞与も含めて見込み額を計算します。

Q. 見込みより実際の年収が増えた場合は?

残業や臨時収入で見込みを超えそうな場合は、健保組合に申告するのが基本です。一時的な増加(短期間の応援、特別ボーナスなど)は被扶養者を維持できることが多いですが、恒常的な増加で年130万円を超えそうなら、扶養から外れて自分で社会保険に加入する流れになります。

Q. 学生アルバイトでも見込み年収で判定されますか?

はい。学生でも被扶養者になる場合は、見込み年収での判定対象です。ただし、学生は19歳以上23歳未満の特定扶養親族として、特別な所得控除の対象でもあるため、所得税・住民税のルールとも合わせて確認する必要があります。新たに導入された「特定親族特別控除」も該当する場合があります。

Q. 夫婦共働きで子どもの扶養はどちらに?

扶養に入れる方の年収が高い方の扶養に入れるのが原則です。ただし、年収差が1割以内であれば、家族の希望(主に生計を維持している方)で決められることがあります。2026年の改正後も、この基本ルールは変わっていません。

Q. 親を扶養に入れたい場合の書類は?

親を扶養に入れる場合は、親の年収を証明する書類(年金通知書・確定申告書の控え)と、仕送りを証明する書類(通帳のコピー)が必要です。同居の場合と別居の場合で要件が違い、別居の場合は仕送りが親の年収を上回ることが求められます。健保組合によって基準が異なるので、所属の健保組合に直接確認してください。

参考資料

  • 厚生労働省「健康保険の被扶養者認定」— 制度概要と認定要件
  • 全国健康保険協会(協会けんぽ)「被扶養者の認定」— 必要書類と申請手順
  • 日本年金機構「健康保険・厚生年金保険被扶養者(異動)届」— 様式と記入例
健保の扶養、2026年4月から「見込み年収」で判定?証明はどうする — 健康 関連イラスト (どうする?)
Photo by Susan Wilkinson on Unsplash

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参考資料

  1. 厚生労働省「健康保険の被扶養者認定」
  2. 全国健康保険協会(協会けんぽ)「被扶養者の認定」
  3. 日本年金機構「健康保険・厚生年金保険被扶養者(異動)届」

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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