賃貸の更新時に家賃値上げ通知 断れる?

結論

家賃値上げは交渉対象で一方的決定ではない。周辺相場の比較資料を準備して書面で対応するのが基本。

どうする?編集部 · · 読了 約3分
目次(21項目)
  1. 結論から先に
  2. どんな場合に当てはまるか
  3. よくある値上げの理由
  4. 拒否しやすい値上げ
  5. 受け入れざるを得ない値上げ
  6. 値上げ交渉の手順
  7. ステップ1:周辺相場の調査
  8. ステップ2:書面で値上げの根拠を要求
  9. ステップ3:拒否または減額提案の書面
  10. ステップ4:合意できない場合
  11. 法的根拠
  12. 借地借家法11条(地代等増減請求権)
  13. 借地借家法28条(更新拒絶の制限)
  14. 供託の活用
  15. 民事調停
  16. 費用・期限
  17. 自分でできる範囲(費用なし)
  18. 専門家への相談
  19. 調停・裁判
  20. よくある質問
  21. 参考資料

結論から先に

賃貸の家賃値上げ通知は、法的には大家からの「値上げ請求」であり、借主の同意があって初めて効力が生じます。 借主には拒否や減額交渉の権利があり、簡単に応じる必要はありません。基本的な対応手順は次のとおりです。

  1. 書面で値上げの根拠を求める
  2. 周辺相場・物価動向の資料を準備
  3. 書面で同意できない理由と希望額を提示
  4. 合意できなければ現行家賃を継続支払い(必要なら供託)
  5. 最終的には簡易裁判所の調停

家賃値上げを断っただけで退去命令につながることは法的にほぼなく、感情的にならず冷静に交渉するのが鉄則です。

どんな場合に当てはまるか

家賃値上げの典型的なシチュエーションです。

よくある値上げの理由

  • 周辺相場が上がった
  • 固定資産税の増加
  • 建物の改修・耐震工事の費用
  • 物価高による管理費上昇
  • 入居者が長期で家賃が相場より安くなった

拒否しやすい値上げ

  • 根拠が示されない
  • 一方的な金額提示で交渉余地なし
  • 周辺相場と比較して高すぎる
  • 建物の劣化が進んでいるのに値上げ

受け入れざるを得ない値上げ

  • 周辺相場が明らかに上昇している
  • 周辺相場と比べて自分が極端に安い
  • 大規模リフォームによる価値向上
  • 駅近・新築・人気エリアへの環境変化

値上げ交渉の手順

ステップ1:周辺相場の調査

  • SUUMO・ホームズ・アットホームで同条件物件を検索
  • 駅徒歩・築年・広さ・間取りで絞り込み
  • 5〜10件の家賃を平均化
  • スクリーンショットを保存

ステップ2:書面で値上げの根拠を要求

  • 大家または管理会社に書面送付
  • 「値上げの具体的根拠を文書で示してください」と記載
  • 内容証明郵便がベスト(送付記録が残る)

ステップ3:拒否または減額提案の書面

  • 「現行家賃の継続を希望」または「○○円なら検討可」
  • 周辺相場の資料を添付
  • 値上げ理由が薄弱な点を指摘

ステップ4:合意できない場合

  • 現行家賃を期日通り支払い(重要)
  • 受領拒否があれば法務局に供託
  • 必要なら簡易裁判所の調停申立て

法的根拠

借地借家法11条(地代等増減請求権)

  • 「経済事情の変動・近隣の地代等との比較で不相当となったとき」増減請求可能
  • 大家・借主の双方が請求できる権利
  • 一方的な決定ではなく、当事者間の協議事項

借地借家法28条(更新拒絶の制限)

  • 大家からの解約・更新拒絶には「正当事由」が必要
  • 自己使用必要性、建物老朽化、立退料提供などが該当
  • 値上げ拒否は正当事由ではない

供託の活用

  • 大家が値上げ後の家賃しか受領しないとき
  • 現行家賃を法務局に供託
  • 借主の支払い義務が履行されたことになる

民事調停

  • 簡易裁判所への申立て
  • 申立手数料:数千円
  • 平均6か月程度で結論

費用・期限

自分でできる範囲(費用なし)

  • 書面でのやり取り
  • 周辺相場の調査
  • 内容証明郵便(1,200円程度)

専門家への相談

  • 法律相談(弁護士、初回30分5,000円〜)
  • 行政書士(書類作成3〜5万円)
  • 借家人組合(年会費数千円、相談無料)

調停・裁判

  • 簡易裁判所調停:申立手数料数千円
  • 弁護士費用:着手金10〜30万円、報酬は経済的利益の10〜20%
  • 訴訟は最終手段(6か月〜1年)

よくある質問

Q. 大家から「契約更新しない」と言われたら退去するしかないですか?

更新拒絶には「正当事由」が必要で、家賃値上げ拒否は正当事由になりません。期間の定めのある賃貸借契約では、大家からの更新拒絶は期間満了の1年〜6か月前に通知が必要。それでも借主が居住を継続する意思を示せば、「法定更新」として契約が継続します。退去命令を受けても、すぐに引っ越す必要はありません。

Q. 連絡を無視すれば自動的に従前の家賃のままになりますか?

無視は最悪の対応です。書面での通知を無視すると「同意した」とみなされる可能性があり、後の交渉で不利になります。値上げを拒否する場合も、必ず書面で「同意できない」旨を返答してください。返答書も内容証明郵便で送ると証拠として残ります。

Q. 値上げに応じない方が長期的に得ですか?

短期的には得ですが、長期的には大家との関係悪化リスク・退去時のトラブル・修繕対応の冷遇などの隠れたコストがあります。極端な値上げを拒むのは正当ですが、市場相場相応の値上げに頑なに抵抗するより、減額交渉で歩み寄るのが現実的です。「次の更新まで現行で・今後の値上げ幅の上限を明文化」など、長期的な合意を目指す手もあります。

参考資料

  • 国土交通省「賃貸住宅標準契約書」— 標準的な契約内容
  • 法務省「借地借家法」— 法律の条文
  • 国民生活センター「賃貸借トラブル」— 紛争事例と対応
賃貸の更新時に家賃値上げ通知 断れる? — くらし 関連イラスト (どうする?)
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参考資料

  1. 国土交通省「賃貸住宅標準契約書」
  2. 法務省「借地借家法」
  3. 国民生活センター「賃貸借トラブル」

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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