iDeCoの評価額がずっとマイナス、解約した方がいい?

結論

iDeCoは解約して引き出すことができません。評価額マイナスでも選択肢は「掛金停止」か「スイッチング」です。掛金の所得控除メリットも含めて判断してください。

どうする?編集部 · · 読了 約4分
目次(13項目)
  1. 結論から先に
  2. 解約はできない仕組み
  3. 掛金停止とスイッチングの違い
  4. 掛金停止(拠出の中断)
  5. スイッチング(商品の変更)
  6. 「今後の積立」の商品変更(配分変更)
  7. 掛金の所得控除効果を無視しない
  8. 60歳までの戦略
  9. 長期運用の視点で考える
  10. 受け取り方の確認
  11. こんな場合は専門家に相談を
  12. Q&A
  13. 参考資料

結論から先に

iDeCoの評価額がマイナスになっても、解約して損失を確定させることはできません。確定拠出年金法の規定により、原則として60歳(加入期間10年未満の場合は最大65歳)まで資産の引き出しはできない制度です。取れる選択肢は「掛金の拠出を止める(掛金停止)」か「保有商品を別のものに変える(スイッチング)」の2つです。また、掛金は全額が所得控除になるため、運用損だけで判断せず節税効果もあわせて考えてください。

解約はできない仕組み

iDeCoは老後資産形成を目的とした制度で、途中解約は原則できません。資産を「脱退一時金」として受け取れるのは、次のすべての条件を満たす例外的な場合に限られます。

  • 国民年金の保険料免除者である
  • 掛金の通算拠出期間が3年以下、または資産額が25万円以下
  • 最後に企業型DCまたはiDeCoの加入者でなくなった日から2年以内

これらの条件を満たさない限り、評価額がどれだけマイナスでも60歳まで引き出せません。「損が出ているので今すぐ解約したい」という判断はそもそも制度上できません。

掛金停止とスイッチングの違い

掛金停止(拠出の中断)

月々の掛金の積み立てをいったん止める手続きです。「運用指図者」という状態になり、積み立ては止まりますが、これまでの資産は引き続き運用されます。

メリット:

  • 毎月の支出を減らせる
  • 生活費が厳しい時期の一時的な対応として使える

デメリット:

  • 掛金停止中は所得控除が受けられない
  • 資産の運用は止まらないため、市場の影響は受け続ける
  • 手数料(運営管理機関によって異なる)は引き続き発生する

スイッチング(商品の変更)

現在保有している投資信託などを売却し、別の商品に買い替えることです。iDeCo口座内の操作なので税金は発生しません。

よくあるスイッチングの目的:

  • 株式中心のファンドから債券中心・元本確保型商品に変更する
  • 下落が大きい商品から安定型に移す
  • 60歳が近づいてきたためリスクを下げる

注意点:

  • スイッチング後の商品が元本確保型(定期預金・保険)でも、元本割れリスクはゼロではない(金融機関の破綻リスクは除く)
  • 株式ファンドの保有期間が短い場合、売却タイミングによっては損失が確定する

「今後の積立」の商品変更(配分変更)

スイッチングは「持っている商品の変更」、配分変更は「これから積み立てる掛金の商品配分の変更」です。両方を組み合わせて調整することもできます。

掛金の所得控除効果を無視しない

iDeCoの重要な特徴として、掛金が全額所得控除になります。運用がマイナスでも、この節税効果はリターンとして機能しています。

年収所得税率+住民税率月掛金1万円の年間節税額
350万円約20%約2.4万円
500万円約30%約3.6万円
700万円約33%約4.0万円
900万円約43%約5.2万円

たとえば月2万円の掛金で年収600万円の方なら、年間約7.2万円の節税になります。10年積み立てれば節税効果だけで72万円です。運用がマイナスでも、節税額がクッションになっている場合があります。

60歳までの戦略

長期運用の視点で考える

市場の下落は一時的であることが多く、長期保有することで回復する可能性があります。ただし、これは将来の保証ではありません。

残りの年数と状況に応じた対応の目安:

60歳まで残り年数評価額マイナス時の考え方
20年以上長期回復の可能性があるため商品変更は慎重に
10〜20年状況によってはリスクを下げる検討も
5年以下元本確保型への移行を具体的に検討

受け取り方の確認

60歳以降の受け取り方は「一時金」「年金」「組み合わせ」の3種類あります。受け取り時に評価額が回復していれば損失が縮小する可能性があります。

一時金で受け取る場合:退職所得控除が適用(iDeCo加入年数ベース) 年金で受け取る場合:雑所得として65歳以上は110万円まで公的年金等控除

こんな場合は専門家に相談を

  • iDeCoと退職金を同じ年に受け取る予定で、退職所得控除をどう使うか迷っている
  • 転職・退職でiDeCoの扱いを変える必要がある(企業型DCからiDeCoへの移換など)
  • 相続が発生した場合のiDeCoの扱いを確認したい

確定拠出年金は転職・退職・相続などのライフイベントで手続きが必要なことがあります。金融機関のiDeCo窓口や、ファイナンシャルプランナーに相談することで具体的な対応が分かります。

Q&A

Q. 評価額マイナスのまま60歳を迎えた場合、損失を確定して受け取るしかありませんか? A. 受け取り時にもマイナスであれば、その時点の評価額での受け取りになります。一方で所得控除の節税効果が長期間積み上がっているため、トータルの損得は掛金期間全体で見る必要があります。

Q. iDeCoの口座管理手数料はいくらかかりますか? A. 国民年金基金連合会への手数料が月105円、事務委託先金融機関の手数料が月66円、運営管理機関の手数料が0〜数百円です。合計で月171円以上かかります(機関によって異なります)。

Q. スイッチングは何回でもできますか? A. 原則として制限回数はありませんが、運営管理機関によって1日の受付回数や締め切り時刻が異なります。頻繁なスイッチングはかえって損失につながる可能性もあります。

Q. 掛金を停止している間も手数料は引かれますか? A. 一般的には運用指図者の期間も手数料が発生します。金額は少ないですが、長期間停止する場合は確認しておいてください。

Q. 企業型DCとiDeCoを両方持っている場合、スイッチングはそれぞれ別々ですか? A. 別々の口座で管理されるため、操作は各口座ごとに行います。企業型DCのスイッチングは会社の規程に従い、専用の手続きが必要です。

参考資料

iDeCoの評価額がずっとマイナス、解約した方がいい? — お金 関連イラスト (どうする?)
Photo by iSawRed on Unsplash

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参考資料

  1. 国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト
  2. 厚生労働省 確定拠出年金制度
  3. 金融庁 資産運用の基礎

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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