NISAつみたて枠で債券50%超の投信が買えるって本当?2026年から
つみたて枠で債券中心ファンドが選べるように。保守的運用・退職前後の安定志向に新たな選択肢。低コスト品を選ぶのは引き続き重要。
目次(20項目)
結論から先に
2026年度の税制改正により、NISAつみたて投資枠で債券比率50%超の投資信託が対象に加わる予定です。これまで株式中心の指定インデックスファンドに限定されていたつみたて枠が、債券中心ファンドにも開かれ、退職前後の安定志向・リスクを抑えたい初心者に新たな選択肢が広がります。商品選定では信託報酬0.3%以下を目安に低コスト品を選ぶのは引き続き重要です。
どんな場合に当てはまるか
つみたて枠の対象拡大の背景
- 退職前後の保守的な運用ニーズへの対応
- 投資初心者がリスクを抑えて始められる選択肢を増やす
- バランス型ファンド(株30%・債券70%など)の取り扱い拡大
- 多様な家計ニーズに対応した制度設計
拡大される商品カテゴリー(予想)
- 国内債券インデックスファンド:日本国債中心
- 先進国債券インデックスファンド:米国・欧州先進国国債
- 保守的バランス型:株式30〜49%・債券51〜70%
- 新興国債券ファンド:高利回り・高リスク
- REITハイブリッド:REIT+債券
既存のつみたて枠対象商品
- 指定インデックスファンド:株式インデックス連動
- 指定外(アクティブ)ファンド:低コスト・5年以上の実績などの要件
- ETF:一部の上場投信
債券ファンドが向く人
- 退職前後でリスクを抑えたい
- 投資初心者で値動きの少ない商品から始めたい
- 短期(5年以内)に使う予定の資金
- 株式メインのポートフォリオに分散効果を加えたい
- 教育資金など使う時期が決まっている資金
例外状況
債券ファンドの注意点
- 金利上昇局面では債券価格は下がる:「債券は安全」ではない
- 長期では株式に劣るリターン:複利効果が限定的
- インフレに弱い:実質購買力が目減りするリスク
- 為替リスク(外国債券の場合)
投資信託の選び方
信託報酬(運用コスト)
- 国内債券:0.1〜0.2%が低コスト
- 先進国債券:0.15〜0.3%
- 新興国債券:0.5%以下
- バランス型:0.2〜0.5%
ベンチマーク(基準指数)
- 国内債券:NOMURA-BPI総合
- 先進国債券:FTSE世界国債インデックス
- 新興国債券:JPモルガン新興国債券指数
運用方針
- インデックス運用(パッシブ):低コスト・指数連動
- アクティブ運用:高コスト・指数上回りを狙う
株式と債券の組み合わせ例
バランス重視(50代以降)
- 株式インデックス:50%
- 国内・先進国債券:50%
- 期待リターン:年3〜5%
- 大暴落時の下落:-15〜25%
安定重視(60代以降)
- 株式:30%
- 債券:70%
- 期待リターン:年2〜3%
- 大暴落時の下落:-10〜15%
成長重視(30〜40代)
- 株式:80%
- 債券:20%
- 期待リターン:年5〜7%
- 大暴落時の下落:-30〜40%
費用・リスク・注意点
投資信託の主要コスト
- 信託報酬:年0.1〜2%、運用中継続発生
- 販売手数料:購入時0〜3%(NISAなら0%が多い)
- 信託財産留保額:解約時0〜0.5%(最近は0%が標準)
NISA口座では販売手数料が無料の商品を選ぶのが基本。
つみたて枠でできること(今後)
- 株式100%インデックス(既存)
- バランス型(既存)
- 債券中心ファンド(2026年改正で追加)
- REITインデックス(一部追加検討)
- アクティブファンド(一部既存)
投資商品選びのチェックリスト
- 信託報酬:年0.3%以下が望ましい(債券中心)
- 純資産額:50億円以上で運用安定
- 設定からの期間:3年以上の実績
- 連動指数:信頼性の高い国際指標
- 販売会社:手数料の安いネット証券で
退職前後の運用方針
5年以内に使う資金
- 預貯金・個人向け国債(変動10年)
- 元本変動が小さい債券ファンド
- MMF・MRF
5〜15年後に使う資金
- 債券60%・株式40%程度のバランス型
- 保守的なポートフォリオ
- NISA枠で運用
15年以上先に使う資金
- 株式80%・債券20%
- 成長重視
- 親NISA・子NISA・iDeCoの組み合わせ
債券ファンドの主なリスク
- 金利上昇リスク:金利上昇で債券価格が下落
- 信用リスク:発行体の財務悪化・デフォルト
- 為替リスク:外国債券の場合
- 流動性リスク:新興国債券で売れにくいことも
- インフレリスク:実質購買力の減少
NISA枠 vs iDeCo の使い分け
NISA向き
- 引き出しが自由
- 子の教育費・住宅頭金など中期目標
- 売却枠が翌年復活する
iDeCo向き
- 60歳まで引き出せない
- 老後資金専用
- 拠出時の所得控除が大きい節税効果
債券ファンドはiDeCoでも選択可能なため、目的別の使い分けがポイント。
改正の施行スケジュール
- 2026年度税制改正大綱:2025年12月公表済み
- 詳細制度設計:2026年中
- 商品リスト公表:2026年12月頃予想
- 施行開始:2027年1月予定
各証券会社の対応商品ラインナップは施行直前に公表される見通し。
よくある質問
Q. 「ターゲットイヤー型ファンド」(年齢に応じて配分変更)も対象になりますか?
期待されますが、施行時の金融庁公表リストで確認が必要です。ターゲットイヤー型は退職時期に向けて自動的に株式比率を下げる商品で、退職準備に適しています。米国の401(k)制度では主流ですが、日本のNISA対象にも追加が議論されています。
Q. 既存のつみたて枠を債券中心に切り替えたい場合はどうすれば?
①既存の株式中心商品を売却(売却枠は翌年復活)、②債券中心商品の積立設定を新規追加、③または既存の積立を停止して新商品に切り替え、で対応可能。NISA枠の管理が柔軟になっているのが新NISAのメリット。
Q. 債券ファンドは「安全」と聞きました。本当?
「株式より値動きが穏やか」は事実ですが「絶対安全」ではありません。2022年は債券価格が世界的に下落(米国総合債券指数で-13%)し、株式と同程度の損失を出しました。金利上昇局面では債券もマイナスリターンになり得ることを理解した上で選びましょう。
Q. 海外債券ファンドは円安・円高でどう動きますか?
①為替ヘッジなし:円安で値上がり・円高で値下がり、②為替ヘッジあり:為替の影響を抑制、ヘッジコストが発生、③日本円ベースで生活する人は「ヘッジあり」の方が予測しやすい、④長期保有では為替が均される傾向あり、です。商品名に「(為替ヘッジあり/なし)」と書かれているので確認してください。
Q. つみたて枠の年間120万円を全部債券にすべき?
人によります。30〜50代で長期運用するなら、株式中心を維持したまま一部を債券に振る方が合理的。退職前後で値動きを抑えたいなら債券比率を上げる選択も妥当。「全部債券」は機会損失が大きいので慎重に判断してください。
参考資料
- 金融庁「NISA特設サイト」— つみたて投資枠対象商品
- 金融庁「つみたて投資枠対象商品リスト」— 公式商品リスト
- 投資信託協会「投資信託の基礎知識」— 商品選びの基本
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参考資料
掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。
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