協会けんぽ保険料率9.90%に下がる 給与の手取りはどう変わる?
医療分9.90%に下がるが介護分1.62%に上昇。子ども・子育て支援分0.23%が新設で実質的な負担はやや増。
目次(20項目)
結論から先に
2026年度の協会けんぽ(全国健康保険協会)の保険料率は次のように改定されました。
- 医療分:9.90%(前年から0.10ポイント引き下げ)
- 介護分:1.62%(前年から0.03ポイント引き上げ、40〜64歳のみ)
- 子ども・子育て支援分:0.23%(新設)
労使折半なので自己負担は半額です。40歳未満で医療分のみ加入の方は、わずかに保険料が下がりますが、新設の子ども・子育て支援分の追加で実質負担は月給30万円で月200円程度の増になります。40歳以上は介護分の引き上げも加わり、月220円前後の増加です。
どんな場合に当てはまるか
協会けんぽの保険料率は次の人に影響します。
該当する人
- 中小企業勤務の会社員(協会けんぽ加入)
- 非公務員のフルタイム勤労者
- 50人以下の会社の従業員(自社で健康保険組合を持たない企業)
該当しない人
- 大企業の従業員(健康保険組合に加入)
- 公務員(共済組合)
- 自営業者・フリーランス(国民健康保険)
- 75歳以上(後期高齢者医療制度)
都道府県別の料率の違い(参考、2026年度予想)
- 新潟県:医療分9.52%(全国最低クラス)
- 東京都:医療分9.79%
- 大阪府:医療分10.29%
- 佐賀県:医療分10.31%(全国最高クラス)
月給別の保険料負担シミュレーション
月給20万円・40歳未満
- 医療分:20万×9.90%÷2=月9,900円
- 子育て支援分:20万×0.23%÷2=月230円
- 合計:月10,130円
- 前年差:約+130円
月給30万円・40歳未満
- 医療分:月14,850円
- 子育て支援分:月345円
- 合計:月15,195円
- 前年差:約+195円
月給30万円・40歳以上
- 医療分:月14,850円
- 介護分:30万×1.62%÷2=月2,430円
- 子育て支援分:月345円
- 合計:月17,625円
- 前年差:約+220円
月給50万円・40歳以上
- 医療分:月24,750円
- 介護分:月4,050円
- 子育て支援分:月575円
- 合計:月29,375円
- 前年差:約+360円
給与明細の確認ポイント
改定が反映される時期
- 通常は4月分給与(5月支給)から新料率
- 賞与にも同率が適用される
- 給与明細の「健康保険料」「介護保険料」欄の数字を3月分と4月分で比較
健康保険組合との違い
- 大企業の健保組合は独自料率(協会けんぽより低いことが多い)
- 健保組合所属の方は組合ごとの料率を参照
- 組合の保険料率も2026年度に改定
「標準報酬月額」とは
- 4〜6月の給与の平均値で決まる
- 9月から翌年8月まで適用
- 残業代も含まれる
子ども・子育て支援金とは
制度の概要
- 2026年4月新設
- 児童手当の拡充、子育て世帯への支援拡大が目的
- 健康保険料に上乗せして徴収(年金や雇用保険ではない)
料率の見通し
- 2026年度:0.23%(協会けんぽ)
- 2027年度以降:段階的に引き上げ予定
- 健康保険組合・共済組合でも同様の料率設定
使途
- 児童手当の所得制限撤廃・支給対象拡大
- 出産育児一時金の増額
- 保育所運営費の拡充
- 子育て世帯向け給付金
よくある質問
Q. 個人事業主から会社員に転職すると、保険料はどう変わりますか?
国民健康保険から協会けんぽに切り替わると、保険料は労使折半になるため負担が約半分になります。年収500万円の自営業者が国保で年35万円程度支払っていた場合、会社員になれば自己負担は年18〜20万円程度に下がります。法人化を検討する自営業者にとって、社会保険の労使折半は大きなメリットの一つです。
Q. 賞与(ボーナス)にも保険料はかかりますか?
かかります。標準賞与額(賞与から1,000円未満を切り捨て)に同じ料率を適用します。賞与1回100万円なら、医療分9.90%×100万÷2=月4.95万円が自己負担。年2回賞与なら年間で約10万円が賞与から引かれる計算です。賞与から差し引かれる保険料は意外に大きいため、家計設計時の盲点になりがちです。
Q. 保険料が上がるのが嫌で扶養に入りたいです?
扶養に入るには年収130万円未満(一部は106万円未満)に抑える必要があります。本人の年収を制限する分、本人の老後の年金額は減ります。短期的な保険料節約と長期的な年金額の減少は表裏一体で、現役期間中の働き方は10〜30年スパンで考えるのが現実的です。
参考資料
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)公式 — 都道府県別の料率
- 厚生労働省「健康保険料率の改定」— 改定の根拠
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金」— 新設制度の詳細
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参考資料
掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。
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