健康診断でeGFR 45と出た。すぐ病院に行くべき数値?
eGFR 45はCKDのステージG3b相当。経過観察ではなく、内科か腎臓内科で原因と進行スピードを確認するのが安全。
結論から先に
eGFR 45 mL/min/1.73㎡は、慢性腎臓病(CKD)の重症度分類で**G3b(中等度〜高度低下)**に当たります。日本腎臓学会のCKD診療ガイドラインでは、G3b以降は経過観察ではなく「専門医での評価」が推奨される領域です。1回の測定で確定診断にはなりませんが、健康診断で45という数字が出た場合は、3か月以内に再検査をして、同じ水準が続いていれば内科または腎臓内科を受診してください。自覚症状がないことが多い数値帯で、放置すると静かに進行します。
※個人差があります。受診の判断は医師にご相談ください。
eGFRの数字をどう読むか
eGFRは「推算糸球体ろ過量」の略で、腎臓が血液をろ過する力の目安です。健康な成人の標準は90以上です。日本腎臓学会の分類では次のように区分されます。
- G1(正常または高値):eGFR 90以上、尿異常あり
- G2(正常または軽度低下):60〜89
- G3a(軽度〜中等度低下):45〜59
- G3b(中等度〜高度低下):30〜44
- G4(高度低下):15〜29
- G5(末期腎不全):15未満
45という値はG3aとG3bの境目です。45ちょうどはG3b寄りに分類されるケースが多く、CKDとしての管理が始まる目安となります。
eGFRは年齢で自然に低下します。40代では80〜90、60代では70〜80程度が中央値です。ただし、年齢の影響だけでeGFR 45まで落ちることは少なく、何らかの原因が背景にあると考えるのが妥当です。
この数字の人に起きていることが多い
eGFR 45の方で、健診後の精密検査でよく見つかる原因は次のようなものです。
- 高血圧の長期コントロール不足による腎硬化症
- 糖尿病性腎症(空腹時血糖やHbA1cも要確認)
- 慢性糸球体腎炎(尿蛋白や血尿を伴うことが多い)
- 鎮痛薬の長期常用による薬剤性腎障害
- 痛風や高尿酸血症の長期放置
- 一時的な脱水や筋肉量の影響(若い男性で見られる)
尿検査の所見と合わせると、どこを攻める必要があるかが見えてきます。健康診断の用紙に「尿蛋白プラス」「血尿あり」と書かれていれば、その情報も受診時に持参してください。
受診で確認する流れ
内科または腎臓内科を受診すると、おおむね次の流れで切り分けます。
- 問診:服用中の薬、健康診断の経過、家族歴、血圧の状況
- 採血:eGFR・クレアチニン・シスタチンC・電解質・HbA1c
- 尿検査:尿蛋白(定性・定量)、尿アルブミン、尿沈渣
- 必要に応じて画像検査:腹部超音波で腎臓のサイズと形を確認
このセットで「急に下がったのか」「以前から下がっていたのか」「治療で戻る種類か」がおおよそ判別できます。費用は3割負担で、初診と検査一式で8,000〜15,000円程度が目安です。腎臓内科の初診は紹介状があると選定療養費(7,000円前後)がかからない病院が多いので、まずはかかりつけ医に相談する流れが負担を抑えやすいです。
自宅でできる範囲
受診を待つ間、自宅でできるのは次のような無理のない調整です。
- 塩分:1日6g未満を目安に。即席麺・加工肉・スナックの量を抑える
- 水分:腎臓に持病がない人は、コップ6〜8杯を目安に普通に飲む
- 市販の鎮痛剤:毎日の常用を一旦やめる(処方薬は自己判断で中止しない)
- タンパク:自己流の極端な制限はしない。受診後に管理栄養士へ
- 血圧:家庭で朝晩測り、上140・下90を超える日が続けば早めに受診
これらは「腎臓を悪くしにくくする」基本動作で、診断が確定する前から取り入れて問題ありません。
こんな症状が出たら待たずに受診
eGFR 45の段階で症状が出ることは少ないですが、以下の場合は数値の再確認まで待たず、早めに受診してください。
- 顔・足のむくみが朝から夕方まで続く
- 尿が泡立つ状態が1週間以上続く
- 尿の色が普段より赤い、または濁る
- 急に体重が2〜3kg増えた
- 倦怠感や食欲低下が続く
特にむくみと尿の泡立ちは、尿蛋白の増加と関連していることがあります。
よくある質問
Q. eGFR 45は若くても出ることがありますか?
20〜40代でも、脱水・激しい運動直後・筋肉量が多い人の採血で一時的に下がることがあります。ただし、安静時の再検査でも45前後が続く場合は、年齢に関係なく腎臓内科で原因を調べる対象になります。健康診断で初めて出た場合は、まず2〜4週間後に同じ条件で再採血してもらってください。
Q. 腎臓内科と泌尿器科のどちらに行けばよいですか?
eGFRや尿蛋白など「腎機能の数値」が下がっている場合は腎臓内科が中心です。結石・血尿・前立腺の症状など「尿の通り道」の問題は泌尿器科です。近隣に腎臓内科がない場合は、内科でかかりつけ医に相談し、紹介状を書いてもらうのが現実的です。
Q. 薬を飲んでいると数値が下がりやすいですか?
鎮痛剤(NSAIDs)を長期で常用している方、降圧薬の一部、造影剤を使った検査を受けた直後などで、eGFRが一時的に下がることがあります。市販の痛み止めを毎日飲んでいる場合は、その情報も問診時に伝えてください。原因が薬の場合は、調整で改善することがあります。
Q. 食事制限は今すぐ始めるべきですか?
自己判断でのタンパク制限・カリウム制限はおすすめしません。腎臓の状態を悪化させる食事は人によって違うため、まず受診して、必要に応じて管理栄養士の指導を受ける流れが安全です。塩分を控えめにする、水分を適度に取る、市販の鎮痛剤を毎日飲まない、という3点はその前から始めて問題ありません。
Q. 次の健康診断まで様子を見てよいですか?
おすすめしません。eGFR 45は経過観察ではなく「原因の切り分け」を行う段階です。1年後の健康診断では遅すぎる可能性があります。少なくとも3か月以内に内科または腎臓内科で、尿検査(尿蛋白・尿アルブミン)と血液検査の再評価を受けてください。
参考資料
- 日本腎臓学会「CKD診療ガイドライン2023」— CKDのステージ分類と専門医紹介の基準
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「慢性腎臓病(CKD)」— CKDの基本と生活上の注意点
- 日本腎臓病協会「腎臓を守るためにできること」— 患者・家族向けの実生活ガイド
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参考資料
掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。
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